24時間音出しOK!バンド演奏OKの賃貸防音マンション サウンドプルーフに潜入!

24時間好きなときに好きなだけ音を出したい! ミュージシャンなら、誰もがそんな思いを持っているはず…。しかし、日本の住環境は、そう簡単にこれを許してくれません。好きなときに音出しできるマイスタジオを所有する…というのは中々難しいですが、借りることなら比較的簡単です!
近年、“楽器可物件”という言葉を耳にする機会も増えてきましたが、音楽スタジオを超える防音性能を誇る賃貸マンションがあるとの話を耳にし、その設計から運営までを手がけるツナガルデザイン株式会社の代表取締役であり、設計も手がける「大塚五郎右エ門」氏に同社の防音賃貸マンション「サウンドプルーフ」についてお話を伺ってきました。


思いっきり楽器を演奏して欲しい! その想いから生まれた本当の防音マンション

編集部サウンドプルーフをスタートしたきっかけを教えてください。

大塚:私の家系は東京都大田区大森で27代続く地主の家系で(編集部注:鎌倉時代から続いており、名前は代々継承されるそうです)、大森は海苔の養殖地だった関係もあってそのための竹を扱う商売をしていました。私の父も竹を扱う傍らで不動産も扱っていたんですね。

サウンドプルーフを始める以前は、ペットと一緒に暮らせる物件を中心に扱ってきたのですが、今や分譲マンションではペットが飼えるのは当たり前になりました。ペットは人間のメンタル的にも良いと言われていますが、あるときから本当の人間の孤独というのは“人間とペット”のつながりではなく、“人間と人間”でないと癒やせないのではないか、と考えるようになりました。

私自身ギターを弾くのですが、教室の先生や周りのミュージシャンと話をしていくと、楽器…特にドラムを練習する場所がないという悩みを持たれている方が多かったんです。中にはワンボックス車にドラム・セットを積んで、わざわざ多摩川の土手まで行って練習している方もいたりと。

ご存じの通り、防音物件というのは年々増えてきていますし施工業者もたくさんあります。しかしドラムに関しては音量の問題でお手上げというケースも多く、契約時にはドラムを叩いて良いと言われて借りた賃貸も、いざ住んで演奏してみるとすぐに追い出されてしまう。そういった問題を、誰かが解決しないといけないんじゃないか? と思ったときに、自分で取り組んでみようと。これがサウンドプルーフをスタートさせた理由です。

防音マンション、サウンドプルーフを手がけるツナガルデザイン株式会社の代表取締役。大塚五郎右エ門氏


編集部サウンドプルーフと、一般的な防音マンションの違いはありますか?

大塚:やはり一番は防音性能です。従来の防音ルームでは、鉄筋コンクリートの中にもう1つ部屋を作るという「二重防音構造」が一般的です。ピアノやギターなどであれば、十分な性能ではあるのですが、ドラムやバンド演奏となると性能不足でどうしても音漏れが生じてしまいます。ならば、その部屋の中にもう1つ部屋を作れば良いんじゃない? という発想から考案したのが、弊社が特許を取得した「三重防音構造」です。

●二重防音構造(遮音性能 目標80dB)

グランドピアノ、ギター、ベース、バイオリン、サックス、声楽、DTMなどが24時間演奏可能。ライブ寄りのサウンド。

●三重防音構造(遮音性能 目標100dB)

特許を取得した独自の防音構造で、ドラムやバンド演奏、クラブミュージックなど大音量かつ重低音にも対応。

ここまでやればできるんじゃないか? と実証したところ、思いっきりドラムを叩いても他の部屋にほとんど音漏れしない100dBという遮音性能を実現することができました。


編集部:部屋の中にさらに部屋を作る…というのは、シンプルというか誰もが試しそうな印象を受けるのですが、どうしてこれまでなかったのでしょう?

大塚:実際に建てるとなると、コストも施工に必要な時間も工程も掛かったりとして不動産としては非効率だと思います。

例えば床も基礎のコンクリートの上に3重にコンクリートを打っていますので、階高(※建物の各階の高さのこと)が一般的なマンションに比べて比べものにならない程必要です。例えば、このサウンドプルーフプロ学芸大学は4階建てですが、一般的な住居用マンションとして建てるのならば5階分が入る高さです。また壁の厚みも70cmあるので、1フロアに本来4部屋入るところ3部屋しか作ることができません。このように、部屋の数が犠牲になってしまうんです。

私自身も、馬鹿げているな…と思うほどなんですよ(笑)。そこまでして、騒音で困っている人をどうにかしたい、という人がいなかったという側面もあるのかもしれませんね。

ちなみに今現在、東京都内で2重、もしくは3重の防音構造を持っている物件は3,000程度しかありません。「楽器可」の物件の中には、楽器音に関してはクレームを出さないという入居条件を付けていたりする「なんちゃって防音マンション」も少なくないようです。

 


防音設計の難しさと、面白さ

編集部:これまで、防音住宅の設計の経験はあったのですか?

大塚:未経験からの挑戦でしたね。音楽教室の施工を手がけた業者や音響設計の業者さんと技術協力や業務提供をしながら、技術やノウハウを蓄積してきました。
自分自身もそうなのですが、自分の音は気持ち良くても、他人の出す音を聞き続けるのはもの凄いストレスです。それを少しでも改善できるように常に新しい試みや実験を試している最中です。

私は元々SEをやっていたこともあってか、データでハッキリと出したい性分で…。そこで第三者機関に遮音性能試験を行ってもらって結果を数値化し、改善点を洗い出してそれを1つずつ潰してきました。結果が数値としてはっきり出るので、徐々に楽しくなってしまって今に至ります(笑)。

実は三重防音構造もさらに進化させようと思っており、今手がけている自由が丘の物件に関しては、重量衝撃音にも対応した世界初のダンサー向け物件です。これまでも「音」に関してはほぼ無音を実現できていたのですが、衝撃を消すのはどうしても難しかったんです。音に関してもまだ改善の余地は残っており、現在の「ほぼ無音」から「完全に無音」状態も目処がついているんです!

編集部:防音マンションの設計を行う上で、何が課題になるのでしょうか?

大塚:ここまでの性能を要求する住居がこれまでなかったこともあり、既製品が少ないという点でしょうか。例えば三重防音構造の場合は窓のサッシも三重なのですが、それぞれがまったく支持材がなく触れていない…。例えるならば宇宙船のような構造になっているんです。こうすることで振動を完全にシャットアウトして防音性能を高めることができます。また吸気口のカバーもオリジナルです。一般的な住居では穴が空いてカバーがついているだけだと思いますが、そこから音が漏れてしまうので、自分たちでこのような構造を考案したんです。

窓は3重サッシ。一見普通のサッシに見えますが、3層それぞれが完全に独立し、振動を遮断しています

音漏れを防ぐために考案された、オリジナルの吸気口カバー

また施工の難しさもありますね。中でも大変なのが、いかに穴を塞ぐかという点です。コンセントやエアコン、換気扇などは穴を開けなければなりませんが、ほんの少し穴が空いているだけで防音性能が1/10程度まで落ちてしまったり…とかなりシビアです。設計通りに作ったはずが、工事の際の本当にちょっとした処理で期待する性能が発揮できなくなることも多く、毎週現場をチェックし、監督に細かくお願いをしています。


編集部:改めてサウンドプルーフの特徴や、他の防音マンションとの違いについて教えてください。

大塚:1番の違いは、やはり防音性能ですね。楽器単体だけでなくバンド演奏も想定しているところが大きな違いだと思います。

また防音性能を維持しつつも、居住性や安全性も両立できるように色々な工夫を行っています。防音室というと、なんとなく窓がなくて締め切った密室…というイメージも強いと思うのですが、日常生活も快適で健康的に過ごせる、日光の入る明るい防音室を作るようにしています。物件によっては対面キッチンを使っていたりと、これまでの防音マンションのイメージとは違うものになっています。

現在まで11棟を作ってきましたが、それぞれにコンセプトが異なっており、様々なライフ・スタイルに対応できるようにしています。防音性能で見ると三重防音構造の方が優れていますが、クラシック系の楽器や響きを楽しみたい場合は二重防音構造の方が適していますので、用途や好みに合わせてお選び頂けます。

対面キッチンを採用するなど、防音性能だけでなく毎日の生活を考えたデザインが取り入れられている。写真はサウンドプルーフ 中目黒


ミュージシャンのための工夫がちりばめられた部屋

編集部:改めてお部屋の設備について、教えてください。

大塚:サウンドプルーフ プロ学芸大学では、少しでも部屋を広くしたいという思いからオリジナルのオープン・タイプの収納を採用しています。そのままカーテンを付けられるようにレールを配置し、耐荷重も成人男性がぶら下がっても全然問題ない強度にしていますので、重い楽器やアンプを安心して置いて頂けます。また、ステージ衣装を掛けられるように従来のクローゼットよりも大分高さもあります。

また天井を見て頂くと分かるのですが、天井には吸音材を張ると共にスピーカーを吊るための器具下地を付けています。スピーカースタンドを置くと、どうしても足下のスペースが取られてしまいますので、このような器具下地を最初から設置しています。また先ほどの収納部分も含め、お部屋の三方向すべてにカーテン・レールを配置しています。ここに防音カーテン等を使って頂くことで、もう少しデッドにしたい…等、お好みのサウンドを調整できるようにしました。

また細かいですが各壁にコンセントを設置し、レコーディング用途で使われる方も多いので通常の100Vと200Vの両方を用意。もちろん、すべてアース端子を用意しています!

逆に防音性能が高い住宅ならではの設備がセキュリティーです。どんなに部屋の中で騒いでも外に音が漏れませんので、何かトラブルがあった場合に助けを呼ぶことができないんです…。そこで非常ボタンを押せば、すぐにセキュリティーが駆けつけるような安全システムも組み込んでいます。

カーテンで仕切りも可能なオープン・タイプの収納スペース。ハンガー部分はドレスやステージ衣装も掛けられるように、十分な高さが取られているのも特徴

天井には吸音材と、スピーカー設置用の器具が取り付けられています

200Vが引かれている点に注目! もちろんアースも落とされています


編集部:入居者の方からの評判はいかがですか?

大塚:おかげさまで、とても喜んで頂いています。特に、他の防音マンションから引っ越されてきた方からは、驚きと喜びの声を多数頂いています。他に同スペックのマンションがないということもありますが、常に入居予約が埋まっている状態です。

編集部:入居者の方は、どのような楽器をやられている人が多いのでしょうか?

大塚:入居されるときに、どのような楽器をやられるかアンケートを取っているのですが、割合としてはピアノやDTM、ギター、ドラムといった順で多いですね。現在まで騒音トラブルは起きていませんので、ほぼどんな楽器でも安心して演奏頂けると思います。大多数が、ここに住まれている方が多いですが、仕事場や趣味の場として使われている方もいらっしゃいます。

中には大手の有名レコード会社や事務所が、バンドの練習場所として使われている例もありますし、楽器レッスン等のSOHOでもご利用頂けます。

編集部:気になるのは家賃ですが、大体どの位をイメージしておけばよいでしょうか?

大塚:エリアによって変わってしまいますが、二重防音構造の物件の場合は大体エリア平均の2割、三重防音構造でも2〜3割増し程度に設定しています。週に何度もリハーサル・スタジオを借りるのであれば割安ですし、機材を常にセッティングしていつでも演奏できるとご好評頂いています。


防音効果を試してみました!

このように、ミュージシャンにとってメリットしかないサウンドプルーフですが、実際にどの位の防音効果があるのか、気になりますよね? そこで三重防音構造の物件のモデルルームにて実際に楽器を演奏。隣の部屋で音漏れをチェックしてみる…という実験をしてみました。

結果… 相当頑張って音量を出しても、隣の部屋には“聞き耳を立てれば、かすかに聞こえる?”程度でした! 出した音量は120dB。その部屋にいると音量で耳が痛くなる音量でこの結果なので、通常の演奏では“ほぼ無音になる”といっても差し支えないと思います。一般的なリハーサル・スタジオよりも音漏れは少ないですよ!

モデルルームが公開中

自分の耳で確認したい! という方は中目黒(二重防音構造)と学芸大学(三重防音構造)の2か所で、実際の防音ルームを体験できるので、ぜひ足を運んでみてください。

その他サウンドプルーフの各物件情報や詳細は、ホームページ(https://www.soundproof.jp/product)でご確認ください。

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